「他の人と比較して落ち込んでしまう」
「褒められても素直に受け取れない」
「新しいことを始めたい気持ちはあっても、なかなか行動に移せない」
このような人は、自己肯定感が低い傾向があります。
自己肯定感は、3歳ころからの家庭環境や体験によって形成されていきますが、大人になってからでも高めることが可能です。
なぜなら、あらたな体験や人間関係、教育環境などでも、自己肯定感に影響を与えられるからです。
本記事では、自己肯定感が低い人や高い人の特徴、自己肯定感を高めるメリット、取り入れたい7つの習慣などを紹介します。
1週間だけでも継続すれば自己肯定感が徐々に高まり、考え方や見える世界が変化していきます。
ストレスが減り、快適な生活を送りやすくなるため、自己肯定感の低さに悩んでいる人は、最後まで読んでみてください。
まずは自分の自己肯定感をチェック!
初めに、自分の自己肯定感がどれくらいなのか、以下で当てはまる数をチェックしてみましょう。
当てはまる数によって、自己肯定感の高さをチェックできます。
- 0個:高い
- 1~4個:普通
- 5~7個:やや低い
- 8~10個:低い
チェックの数が多くても、安心してください。
次章からお伝えする「自己肯定感が低くなる理由」や「自己肯定感を高める習慣」を行えば、徐々に自分に自信が持てるようになっていきます。
自己肯定感を高める習慣を取り入れるまでは私も7個該当していたので、やや低めでした。
自己肯定感とは
自己肯定感とは、長所や短所も含め、ありのままの自分を認める感覚のことです。
もう少し詳しく説明すると、以下の「絶対的自己肯定感」と「社会的自己肯定感」から成り立っているのが自己肯定感です。
- 絶対的自己肯定感…人よりも優れている部分を評価するのではなく、性格や能力、苦手なことなど、ありのままの自分を認めることで生まれる感覚
- 社会的自己肯定感…他者から仕事の能力や成果などを相対的に評価されたり、自分の努力で得られた達成感や成功体験から培われて生まれたりする感覚
つまり、自己肯定感は、自らを認める以外に、他者からの評価でも高まっていくものなのです。
しかし、専業主婦になったり退職したりすると「他者との関わりが薄くなる」「仕事のようなパフォーマンスを求められる機会が減る」など、社会的な相対評価が難しくなります。
すると、社会的自己肯定感が低下していくため、ありのままの自分を認める絶対的自己肯定感が重要になるのです。
短所も含めたありのままの自分を認められれば、日常生活や仕事にも良い影響をもたらすようになり、自然に幸福度が増していきます。
自己肯定感が低い人の特徴6つ
自己肯定感が低い人の主な特徴は、以下の6つです。
- 褒められても素直に受け取れない
- 承認欲求が強い
- 他者と比較する
- 新しいことにチャレンジできない
- 自分の意見を言えない
- 完璧主義になりすぎる
自分に当てはまるものがないか、読み進めながらチェックしてみてください。
1.褒められても素直に受け取れない
自己肯定感が低い人は、自己認知ができていないため、人から褒められても「私なんて……」と、素直に受け取れません。
自己認知…自分の性格や能力、思考力、感情、長所、短所などを把握する力のこと。自己肯定感と違い、短所を受け入れているとは限らない。
自己認知ができていれば自分の能力や長所を理解しているため、褒められても素直に受け取れるようになります。
2.承認欲求が強い
自己肯定感が低い人は「ありのままの自分は認められないけれど、存在価値は認めてもらいたい」という思いから、承認欲求が強くなる傾向があります。
そのため「○○すれば褒められるかもしれない」「○○すれば認めてもらえるかもしれない」と、他者基準で物事を考えやすい傾向があるのです。
ただし、上でも述べたように、褒められても素直に受け取れないジレンマがあります。
3.他者と比較する
自分の価値や能力を他者と比較するのも、自己肯定感が低い人の特徴です。
たとえば、SNSでフォロワーさんが成功体験を語っているのを見ると「どうして私はできないんだろう……」と、無意識にできていない部分ばかり比較してしまいます。
他者との比較は、嫉妬心や劣等感を引き起こす原因になります。心の安定を保つために、あえて距離を取ることも必要です。
4.新しいことにチャレンジできない
自己肯定感が低い人は主体性がないため、新しいことを始めてみたいと思っても「失敗したらどうしよう……」と、なかなか一歩を踏み出せません。
なぜなら、物事をネガティブに捉える傾向があり、過去の些細な失敗も受け入れられないからです。
失敗に捕らわれすぎると「自己効力感(自分はできると思える感覚)」が低下していき、新しいことにチャレンジできなくなります。
自己効力感…自己肯定感を構成する感覚の1つ。
- 自尊感情:自分には価値があると思える感覚
- 自己受容感:ありのままの自分を認める感覚
- 自己効力感:自分にはできると思える感覚
- 自己信頼感:自分を信じられる感覚
- 自己決定感:自分で決定できるという感覚
- 自己有用感:自分は何かの役に立っているという感覚
「私はできる!」と思えることが、自己肯定感を高める一歩に繋がります。
5.自分の意見を言えない
「否定されたらどうしよう……」と、自分の意見をなかなか言えないのも、自己肯定感が低い人によくみられる特徴です。
自己肯定感が低い人は自分に自信を持てないため、主体的に考えて行動することが苦手です。他者からの評価が気になり、自分を素直に表現することもままなりません。
そのため、人の意見に左右されてしまいます。
自分の考えをしっかり持てるようになると、他者を尊重しつつ自分の意見も言えるようになります。
6.完璧主義になりすぎる
自己肯定感が低い人は、他者からの評価で自分の存在価値を見いだしているため、完璧を目指しすぎてしまいます。
失敗やミスをして「自分はできない子」というレッテルを貼られたくないからです。
なかには、他者にも完璧を求めてしまい、人間関係を悪化させるケースもあります。
自分の欠点を認めてあげられるようになると、他者にも大らかな気持ちで接することができるようになります。
自己肯定感が高い人の特徴6つ
自己肯定感が高い人は、低い人とどのような違いがあるのでしょうか?自己肯定感が高い人の特徴は、以下のとおりです。
- 自分の悪いところも含めて認められる
- 人の言葉を素直に受け止められる
- 他者と比較しない
- 主体性がある
- チャレンジ精神がある
- 他者を尊重できる
順番に説明していきます。
1.自分の悪いところも含めて認められる
自己肯定感が高い人は、他者よりも優っているからと自分を評価するのではなく「性格や感情、思考力など、悪いところも含めたのが私」と、ありのままを認められます。
自分を尊重できると精神的にも余裕ができるため、他者の悪い部分も「あって当たり前」と思えるようになり、周りの人にも優しくなれます。
2.人の言葉を素直に受け止められる
人からの助言を「ありがとう」と素直に受け入れられるのも、自己肯定感が高い人の特徴です。
どんなに耳が痛いことでもポジティブに受け止められるため、次へと活かせるようになります。
3.他者と比較しない
ありのままの自分を認めている人は、他者と比較して自分を優位に立たせる必要がありません。
良いところも悪いところも含めたのが、自分の価値なのです。
そのため、他者の成功も素直に祝福できます。SNSを見ても、心がざわつくことがありません。
4.主体性がある
自己肯定感が高いと自分に自信を持てるようになるため、周りに流されず、自ら考えて行動できます。
困難なことでも、失敗を恐れず立ち向かう力が培われていきます。
「主体性」と似ている言葉の「自主性」とは少し違うため、注意してください。
「主体性」と「自主性」はどちらも積極的に物事を行うことです。
「自主性」は一定の決められたことの中で進んで行動するため、責任を問いません。
対して、主体性は、決められた枠組みがない状態で自ら考え、判断して行動するため、責任があります。
主体性があればあらたな開拓も可能になるため、重宝される人材に近づけます。
5.チャレンジ精神がある
自己肯定感が高い人は、失敗した理由を客観的に捉えて次へと活かせる精神力があるため、チャレンジを恐れません。
「失敗は成功の基」ということわざがあるように、失敗したこともすべて経験として捉え、糧にしていきます。
失敗した経験があるからこそ他者の気持ちに寄り添え、成功体験も増えていくのです。
6.他者を尊重できる
ありのままの自分を認めると同様に他者を認められるのも、自己肯定感が高い人の特徴です。
反対意見があったとしても「そういう意見もあるんですね」と尊重し、素直に受け入れられます。
他者を尊重できればコミュニケーションが円滑になるため、良好な人間関係を築けるようになります。
自己肯定感を高める5つのメリット
自己肯定感を高めるといいのは、以下の5つのメリットがあるからです。
- 自分に自信を持てる
- 新しいことにチャレンジできる
- 円滑な人間関係を築ける
- ストレスに強くなる
- 集中力が高まる
順番に説明していきます。
1.自分に自信を持てる
自己肯定感が高まると自分の考えをしっかり持てるようになるため、自分に自信を持てます。
そのため、他者からの評価に振り回されることがありません。
失敗しても「学びになった」と、ポジティブに捉えられるようになります。
2.新しいことにチャレンジできるようになる
自分に自信が持てるため、新しいことにも積極的にチャレンジできるようになります。
失敗してもクヨクヨ悩まず「なぜ失敗したのか」「どうすれば成功するのか」など、問題解決に向けて思考を巡らせらていきます。
失敗を糧にして次へ進む力が身に付くため、スキルをあげて、高みを目指すことも可能です。
3.円滑な人間関係を築ける
自己肯定感が高まると、欠点も含めたありのままの自分を受け入れられるため、他者の悪い部分も個性として受け止めることができます。
そのため、自分と違った意見でも感情に左右されることなく、素直に受け入れられます。
お互いを尊重しながら物事を進めらるようになり、円滑な人間関係を築きやすくなるのです。
4.ストレスに強くなる
ストレスを感じにくくなるのも、自己肯定感が高まるメリットです。
理由は、精神的に余裕ができて、人の意見を素直に聞けるようになるからです。
また、問題や課題があっても、どう対処すれば良い方向に進むか、妙案が浮かびやすくなります。
自己肯定感を高めればストレスに強くなり、成功をつかむチャンスを増やすことが可能です。
5.集中力が高まる
自己肯定感が高まると、ありのままの自分を受け入れられるため、幸福感度が増し、脳がリラックスします。
すると、やる気や集中力が高まり、仕事や勉強が捗ります。
自己肯定感を高める7つの習慣
ここからは、自己肯定感を高める7つの習慣を紹介します。
- 褒め日記をつける
- 悩みや不安をノートに書く(エクスプレッシブ・ライティング)
- 小さなチャレンジの成功を書く
- 感謝ノートを書く
- 塗り絵をする
- ラジオを聴く
- 散歩をする
すべて一度に行う必要はありません。自分に合う方法から試してみてくださいね。
1.褒め日記をつける

- ノートとペンを準備する
- 毎日、自分の褒めるところを書く
(性格や心の変化、考えや発想、結果までの過程、見た目などから連想) - 書いた内容の最後に、必ず自分を褒める一言を付け加える
例:「○○できた、えらい!」「○○しなかった、えらい!」など
褒め日記をつけると、人から褒められたときと同様に、脳にあるやる気ホルモン「ドーパミン」が分泌されるため、幸せを感じたりポジティブになったりします。
すると、ありのままの自分を受け入れられるようになり、自己肯定感が高まっていきます。
褒め日記は、スマホやパソコンよりも、より脳を刺激する手書きのほうがおすすめです。内容は、特に決まりはありません。
「書く内容が思いつかない」という場合は、性格や心の変化、考え、発想、結果までの過程、見た目などから連想すると、浮かびやすくなります。
たとえば「今日は早起きしてお弁当を作れた、えらい!」「髪を綺麗に巻けた、すごい!」など、考えられるようになります。
そして、褒め日記は、必ずしも達成できたことだけではありません。
たとえば「○○しなかった、えらい!」というように、普段してしまうことを抑制できたことも褒め対象になります。
1週間続けるだけでも「私って、こんなこともできたんだ」と、前向きに考えられるようになってきました。
2.悩みや不安をノートに書く(エクスプレッシブ・ライティング)
(エクスプレッシブ・ライティング)
- ノートとペンを準備する
- 感じた感情を、ストーリー仕立てにして書く
(悩み、不安、怒りなど) - 書いた内容を眺める
自分の中のネガティブな感情やモヤモヤをノートに書いていくと、ウソ偽りのない感情を吐き出せ、悩みや不安などを認識しやすくなります。
書き方は簡単。「悩んでいること」「不安なこと」「怒っていること」など、心にある負の感情を吐き出すように、感じたままをストーリー仕立てにして詳しく書くだけです。
誰に見せるものでもないので「こんなこと人には言えない……」ということも、すべて書いてください。
すると「自己受容感(ありのままの自分を認める感覚)」が満たされるため、ネガティブな感情で埋め尽くされていた心がポジティブに変化していきます。
また、頭の中で考えるだけでは見えなかったこともクリアになり、解決策が思い浮かぶ可能性もあります。
3.小さなチャレンジの成功をノートに書く(成功体験を増やす)

- ノートとペンを準備する
- 小さなチャレンジで成功したことを書く
例:「案件に応募できた」「資格の勉強を30分できた」など
小さなチャレンジの成功体験をノートに書いていくと、できたことが増えて自己肯定感が高まります。
チャレンジするのは「案件に応募できた」「資格の勉強を30分できた」など、少し頑張れば達成できるものがおすすめです。
大きな成功1つよりも、まずは小さな成功を積み上げていくほうが「私だってやればできるんだ!」と、自信を持てるようになるため、主体性も育ちやすくなります。
4.感謝ノートを書く

- ノートとペンを準備する
- 感謝することを見つけたら、そのできごとの最後に「ありがとう」と添えて書く
例:「不明点を教えてくれて、ありがとう」「お手伝いをしてくれて、ありがとう」など
生活していて、感謝したことや感謝したい人がいたら、最後に「ありがとう」と締めくくって感謝ノートを書くと、ポジティブに考えられるようになります。
内容は「不明点を教えてくれて、ありがとう」「お手伝いしてくれて、ありがとう」など、どのような些細なことでも構いません。
人は、日々の生活の中で当たり前になってくると「ありがとう」と言うのを忘れてしまいやすくなります。しかし、当たり前なことは何一つありません。
「ありがとう(有り難う)」の反対語は「当たり前」。
ありがとう(有り難う)は、仏教の「有り難し」が語源。
「あることが難しい、めったにない」という意味。
当たり前と感じていることにも「ありがとう」と感謝ノートを書いていると、小さなことにも感謝できるようになり、自己肯定感が高まっていきます。
今まで気づいていなかった部分が見えてきて、視野が広がっていくのが分かります。
5.塗り絵をする
- 塗り絵を準備する
- 塗りたい色を選び、塗っていく
塗り絵は自分で色を決めて塗るため、自己肯定感を構成する感の1つ「自己決定感(自分で決定できるという感覚)」が満たされます。
また、指を動かして(左脳)色を塗る(右脳)と、大脳(左脳や右脳)が活性化され、脳の血流が良くなります。

参考:中外製薬
左脳:論理的な思考、計算、言語、時間の観念
右脳:感覚的な思考、想像力、図形、音楽
すると、ストレスを減らしたり愛情を感じやすくなったりする「オキシトシン」や、落ち着いたりやる気が増したりする「セロトニン」が分泌されます。
塗り絵は、幸福感を得られ、自己肯定感が高まる簡単な方法です。
6.ラジオを聴く
- ラジオを聴く
- 聴きながら内容を思考する
ラジオを聴き続けると、脳の中の聴覚系脳番地、理解系脳番地、記憶系脳番地のエリアが活性化するため、自己肯定感が高まります。
脳番地…脳の中にある神経細胞の集まりや関連する機能の相称。
120ある脳番地を似た働きを持つ部分でまとめると、8つに分類される。
理由は、左耳で聴いた内容を今までの経験や知識を総動員してイメージ(記憶系)したり、理解(理解系)した情報を深く考えたり(思考系)行動したり(伝達系)して、各脳番地を刺激するからです。

参考:radiko
やり方は、簡単。好きなラジオを聴くだけです。
ただし、YouTubeのように視覚的にも情報があるものではなく、純粋に音だけで情報を得られるものを選んでください。
前述でもお伝えしたように、言語の理解は左脳、想像するのは右脳を使います。そのため、継続すると大脳(左脳・右脳)の血流が良くなり、自己肯定感が高まるのです。
ラジオを聴き続けると、記憶系脳番地が活性化するため、記憶力も良くなります。
7.散歩をする
- 歩くコースを決める
- 周りの景色や音を楽しむ
- 15分ほど歩く(朝起きてから1時間以内が望ましい)
散歩は、自分で「散歩をしよう」「このルートを歩こう」と決めて歩くため、自己肯定感を構成する感の1つの「自己決定感(自分で決定できるという感覚)」が刺激されます。
その際、周りの景色を見たり(視覚系)小鳥のさえずりを聞いたり(聴覚系)すると、歩く(運動系)だけよりも効果的に脳を刺激できます。
ただし、散歩は朝起きてから1時間以内に行うのがおすすめです。
太陽の光を浴びながら15分ほど行うと、幸せホルモンの「セロトニン」が分泌されやすくなるため、自己肯定感も高まりやすくなります。
脳が活性化すれば、自己肯定化が高まるだけでなく、思考力や理解力も増していき、いいアイデアが浮かんだり、効率的に仕事ができたりします。
まとめ:自己肯定感を高める習慣を取り入れて未来を変えよう!
自己肯定感が高まれば、日常生活に潤いが生まれ、よりよい未来を築くことも可能です。
今はまだ自己肯定感が低くても大丈夫。自己肯定感は、大人になってからでも高められます。
まずは、自己肯定感が高まる習慣を以下から選び、1週間だけでも実践してみましょう。
- 褒め日記をつける
- 悩みや不安をノートに書く(エクスプレッシブ・ライティング)
- 小さなチャレンジの成功をノートに書く
- 感謝ノートを書く
- 塗り絵をする
- ラジオを聴く
- 散歩をする
継続すれば、ありのままの自分と向き合えるようになるため、人間関係が良好になり、充実した毎日を送れるようになります。
未来を変えるため、小さな一歩を踏み出してみましょう。
自己肯定感を高める習慣をより詳しく知りたいときは、自己肯定感の第一人者・中島輝氏の『習慣化は自己肯定感が10割』を読むと、より理解を深められます。